ながの金融広報だより 第173号 2025.春

 


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2025年度 「金融経済教育研究校」を指定しました

    当委員会では、新しい時代を生きるうえで必要な資質・能力を確実に育むことを目指し、児童、生徒の発達段階に応じた「金融経済教育」の研究・実践を支援するために、毎年、「金融経済教育研究校」の指定を行っています。
    今年度は新たに2校を指定し、下記の5校が研究校として研究活動に取り組んでいます。

小学校中学校高等学校
白馬村立白馬北小学校松本市立鎌田中学校
松本市山形村朝日村中学校
組合立 鉢盛中学校
南牧村立南牧南小学校
<新規>
長野県飯田OIDE長姫高等学校
<新規>



ご存じですか?「J-FLEC」(金融経済教育推進機構)のこと

    J-FLECは2024年4月、国民に広く金融経済教育を届けることを目的に設立された金融庁所管認可法人です。一人ひとりが、経済的に自立し、安心かつ豊かな生活を送るために、金融リテラシー(お金に関する知識・判断力)を高められるよう、中立・公正な立場から様々な事業を行っています。

J-FLECの主な事業

事 業 内 容事 業 の 概 要
講師派遣(出張授業)全国の学校や企業、公民館等にJ-FLEC講師を派遣し、金融経済に関するテーマの出張授業を無料で実施しています。
イベント・セミナー社会人や経営者、親子、教員等を対象にお金の専門家を招き、イベントやセミナーを無料で開催しています。
個別相談
(J-FLECはじめてのマネープラン)
お金に関するアドバイスを受けたことのない方に、アドバイスの価値や意義を知っていただくきっかけとするため、個別相談の無料体験の提供や割引クーポンの発行を行っています。
教材・コンテンツの無償提供年齢層別に最低限身に付けるべき金融リテラシーを習得いただける「標準講義資料」を公表しています。また、標準講義資料以外にも、さまざまな教材や動画を公開しています。
金融経済教育研究校の指定・支援金融経済教育を研究・実践するため学校等を各都道府県の金融広報委員会と協力し、指定・支援しています。

    詳しくはJ-FLECのホームページをご覧ください https://www.j-flec.go.jp/

当委員会は、J-FLECを含む関係諸団体等との連携を図り、県内各層に対する金融経済教育の推進に取り組んでまいります。



コラム ~信州の風~
「さまざまの事思ひ出す桜かな」

    新年度が始まって早くも1か月が過ぎようとしています。県内では、4月上旬まで肌寒い日々が続きましたが、その後は一転して暖かくなり、桜も一気に満開を迎えました。当県は、高遠城、松本城、上田城、飯山城などの古くからの桜の名所に加えて、臥龍公園、城山公園(長野)など近年になって整備された美しい公園も数多くあり、皆さまも、身近なところを含めて思い思いの場所でお花見を楽しまれたのではないでしょうか。

    かくいう私も、休日あるいは仕事帰りに、北信・東信を中心に桜の名所をいくつか訪れてきました。須坂にある臥龍公園は、高遠城址、小諸城址(懐古園)とともに「さくら名所百選」に選ばれている全国でも有数の桜の名所です。訪れた際は、夕方からのライトアップにあわせて、サラリーマンや家族連れが集まって屋台で名物の「黒おでん」をつまみながらお花見を楽しんでおり、加えて、新学期が始まって間もない近隣の高校生、中学生も部活動の仲間などと一緒に集まって大変賑わっていました。
    また、上田城址では、千本と謳われる見事な桜が櫓や城門などと好対照をなしており、桜とともに写真を撮影したり、飲食したりする外国人観光客の姿が多くみられていました。桜は、海外でもポピュラーな存在になっていますが、桜を観ながら飲食する機会が殆どないせいか、「お花見」は日本文化を体験できるよい機会として人気があるようです。

    このほか、佐久のJR小海線沿いにある龍岡城五稜郭(函館とともに日本で二つしかない五稜郭の一つ)でも、風情のある桜が堀の水面に映り込み、見事なコントラストをみせていました(城跡にあった140年以上の歴史を誇る小学校は残念ながら近年閉校となったそうです)。ちなみに金融経済教育研究校向け説明会のため、近接する野辺山(南牧村)を訪れたところ、最近話題のアニメ映画の主要な舞台のひとつとされていることから、外国人観光客を含め、さっそく賑わいをみせていました。

    外国人観光客にも人気のお花見ですが、日本人にとって、桜はただの「花」ではなく、古来、特別な感情を呼び起こさせてきたといわれています。「さまざまの事思ひ出す桜かな」と詠んだのは当県にもゆかりが深い松尾芭蕉です(当地の桜を思い出して詠んだとされる「思い立つ木曽や四月の桜狩り」も好きな句の一つです)。この句には、桜の美しさだけでなく、その儚さ、変化への思い、過去への憧憬などがうたわれているといわれますが、加えてこれまで巡り合った人(々)への感謝といった気持ちも込められているかもしれません(芭蕉翁は故郷に帰った折、かつてお仕えしたお殿様を思い出してこの句を詠んだといわれています)。この名句は、桜が春の訪れを告げるだけでなく、人々の様々な節目に寄り添ってきた花である一つの証左のように感じられます。
    さて、節目といえば、日本銀行長野事務所(長野県金融広報委員会事務局)は、今年7月16日に開設80周年を迎えます(ちなみに日本銀行松本支店は昨年、開設110周年を迎えました)。詳しくは別の機会に譲りますが、第二次世界大戦末期に当事務所が開設されてから、歴代の日本銀行役職員の努力はもちろん、なにより県民の皆さまの多大なサポート・ご支援を受けつつ、この節目を迎えられることに改めて感謝したいと思います。引き続き、関係者の皆さまへの感謝の気持ちとともに、当県の実情や県民の皆さまのニーズを踏まえた金融広報、金融経済教育などの取り組みを進めていく所存ですので、今後とも、ご理解とご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。

ながの金融広報だより 第173号 掲載

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