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大学における金融教育の活性化

 前回は、長野県における学校での金融教育の機会を、今後さらに増やしていきたい旨をお伝えしました。とりわけ力を入れていきたいのが、これまであまり行われてこなかった大学での金融教育の活性化です。
 大学生は、一人暮らしの方も多く、お金の問題が生活の一部となっている方も多いと思います。それだけにトラブルに巻き込まれ、被害に遭われる方も増加しております。また、アルバイトを行っているつもりで、実は詐欺事件の加害者になってしまうといった極端な事例も増えています。
 そこで、大学生の皆さんに対して、お金・金融に関するトラブルを避けて頂くために、またより豊かな人生設計を行って頂くために、大学から授業のコマを頂いて、お金や金融に関する留意点等をお伝えすることは非常に重要なことであると考えています。金融の複雑化、詐欺事件の巧妙化などもあって、お伝えしたいことが山ほどあるというのが実情です。私どもでは、大学教育は、系統立てて物事を伝えていく最後の機会であると捉えています。全国では、「金融リテラシー講座」と称して、半期15コマの授業を行う動きが広がっています。今後はこのような連続講義を長野県内の大学でも行って行きたいと考えています。大学関係者をはじめ皆様のご協力・ご支援を頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
ながの金融広報だより 第148号 掲載

 


学校における金融教育の充実を

 前回は、金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調査」に基づき、お金や金融に関する長野県民の特徴・課題についてお伝えしました。この中で、金融知識に関するテストの正答率が長野県は全都道府県中第7位で、東日本では第1位であったこと、但し18〜29歳の若手世代の正答率は全国第40位とふるわなかったことをお伝えしました。何故若手世代の正答率がこれほど低いのでしょうか。一つの答えが本調査中にあると考えています。それは、「学校において金融教育を受けなかった人」の割合が、長野県は79.1%(全国平均73.9%)と非常に高かったことです(全都道府県中、下から2番目の第46位)。
 現在、私どもでは、「青少年生活設計講座」を県内全ての高校、大学、専門学校等を対象に行っています。これは、私どもの金融広報アドバイザーが、学校を訪問し、金融やお金についての知識や判断力を高めるための授業を行うものです。昨年度、本講座を受講した生徒・学生は2,624名にのぼりました(前年度1,813名)。卒業生のための巣立ち教室などで、多くの学校にご利用頂いておりますが、上記した「金融リテラシー調査」の結果を考えると、さらに多くの学校でご利用頂きたいと思います。私どもも募集案内の発出回数を増やすなど情宣に努めて参りますが、教育関係者をはじめ皆様方のご協力を是非お願いしたいと思います。
ながの金融広報だより 第147号 掲載

 


長野県民の金融知識は全国第7位

 本年8月に長野県金融広報委員会事務局長に就任しました外(ほか)と申します。長野県の金融教育・知識普及に全力で貢献したいと考えています。宜しくお願い致します。
 本年6月、金融広報中央委員会は、全国約2万5千人を対象にして行った「金融リテラシー調査」の結果を発表しました。国民のお金の知識や行動特性を把握するための調査としては、わが国初の大規模調査で、都道府県別の分析も行っています。そこで、本コラムでは、数回にわたって、本調査を用い、長野県民の金融に関する知識・行動の特徴を探っていきたいと思います。
 本調査では、まず皆様に金融知識に関するテストを行って頂いておりますが、長野県の結果は、全国47都道府県中第7位と非常に優秀なものでした。全国の順位を上から見ますと、奈良県、香川県、京都府、岡山県、鹿児島県と、西日本勢が上位を占めています。第6位の福井県を西日本に分類しますと、長野県は、東日本のトップということになります。さすが「教育県・長野」の面目躍如といったところでしょうか。
 ただ、良いことばかりではありません。テスト結果を年齢層別にみますと、30〜59歳は第5位、60〜79歳も第15位と健闘していますが、18〜29歳の若手世代が第40位と低い順位になってしまいました。ここらあたりに長野県の金融教育の課題があるのかもしれません。次回は、長野県民の金融行動に関する特性をみていきたいと思います。
ながの金融広報だより 第146号 掲載

 


金融教育は人生設計の鍵

 世界トップクラスの長寿大国、そして世界に例を見ないスピードで進む少子高齢化大国の日本においては、国民一人一人が有意義で快適な生活を送るためには、若い頃からしっかりと生活設計を立てて適切な資産形成を行うことが極めて重要なことは、改めて申し上げるまでもありません。
 長野県金融広報委員会では、こうした認識の下、「広めようお金の知識~生きる力、自立する力を高めるために」を活動テーマとして、主として、①高年層の方を対象に特殊詐欺撲滅に向けた啓蒙活動を展開するとともに、②若い世代を対象に新しい時代を生きるうえで必要な資質・能力を育むことを目的に効率的な金融教育に粘り強く取り組んで参ります。
 前者につきましては、豊かなセカンドライフを送る掛け替えのないお金が金融詐欺によって喪失することは大変痛ましい問題であり、その撲滅が喫緊の課題と位置付けております。公民館や生涯学習センター等へ金融広報アドバイザーを派遣させて頂き広報活動等を積極的に展開していく計画です。後者につきましては、生活設計が現実の問題として必ずしも強く意識されていない若年層を対象に、学校はじめ関係団体との連携強化を図りつつ、学校教育の場をベースに普及促進活動を展開することとしております(詳細は6月号「大躍進!長野県における学校金融教育」をご参照ください)。併せて、スマートフォン所有者の方への情報提供ツールとしてHPスマホ版も提供するなど新しい試みにも積極的に取り組んでおります。
 私どもでは、今後とも、県民の皆様が多様なライフスタイル・実り多き人生をお過ごし頂けることに少しでも貢献できるよう金融広報活動に取り組んで参りますので、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

 


大躍進!長野県における学校金融教育

 金融広報活動を取り巻く環境をみると、1.長寿県として老後の生活資金を自ら確保する「自助努力」に向けた取組み強化や 2.振り込め詐欺撲滅に向けた啓蒙活動促進に加え、3.学校教育現場では選挙年齢引き下げを受けた「主権者教育」が推進される中で経済政策の内容やその生活への影響等を考える力を育む金融教育に対する潜在的なニーズが高まっています。こうした状況下、私どもでは、関係諸団体の皆さまとの連携強化を図り様々な活動を展開しておりますが、ここ数年、教育関係者の多大なご尽力のおかげで、学校における金融教育は大躍進を遂げております。
 この間、私どもの支援内容も、既存の出前講座方式に加えて、学年単位の講演会方式やアクティブラーニングを意識したパネルディスカッション方式、あるいは小学校対象の金融教育教室年間シリーズ方式など、教育現場からお寄せ頂く多岐に亘るニーズに肌理細かく対応させて頂く、オーダーメイド型支援に注力しております。このような支援活動に対する教育関係者の方々のご理解とご支援によって、28年度金融教育研究校は過去最多となる9校に委嘱させて頂くことになりました。
 関係者の皆様方には厚く御礼申し上げますとともに、この先も一層の発展を期するべく精進して参りますので、引き続きご支援賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
ながの金融広報だより 第144号 掲載

 


スマートフォンからようこそ

 今年10月から、私どもでは、スマートフォンから長野県金融広報委員会ホームページへのアクセスが可能となるようシステム対応いたしました。今まさに、このコラムを愛用のスマートフォンでご覧になっておられる方もいらっしゃるのではないかと思います。
 長野県金融広報委員会では、金融広報活動として、年3回著名な講師をお招きしての金融経済講演会の開催やアドバイザー等による講演、紙ベースの各種資料配布などを行っています。もちろん、デジタル時代に対応したホームページも開設しておりますが、今回、新たに、スマートフォンからもアクセスして頂けるパスを用意いたしました。スマートフォンの普及によって、今や、人々はいとも簡単にかつ瞬時に多種多様な情報に接することができるだけに、より多くの方がスマートフォンからホームページをご覧になられることに大いなる期待を寄せております。
 この先も、デジタル時代の進歩に応じた情報発信に務めると同時に、皆様が「アクセスして役に立った」と実感して頂けるようなコンテンツの充実にも尽力して参りますので、ご意見・ご要望のある方はどうか御遠慮なく、事務局までご一報頂ければ幸甚です。
ながの金融広報だより 第143号 掲載

 


「将来」と「今」~実践編~

 先進国の中でも例を見ないペースで進んでいる「少子高齢化」「人口減少」社会では、金融教育の重要性は一段と増しています。現在、国を挙げて人口減少対策に取り組んでいますが、65歳以上の方の割合が、東京オリンピックが開催される2020年には3割近くまで、その先2050年には約4割まで上昇すると推計されています。
高齢化社会の下では、現役世代の負担を考慮すると、年金など社会保障制度の役割も相対的に小さくならざるを得ず、若い世代の方が自ら生活設計を立てて、老後の生活資金を自ら確保するための資産形成を実践することが極めて重要となります。前回コラムでも『「将来」と「今」』と題して、新しい時代を生きる上で必要な資質・能力を育むことを目指して金融教育の支援に重点を置くことを採り上げさせて頂きました。
私どもでは、こうした認識の下、学校教育における金融教育の充実・強化に取り組んでいます。過去最多の応募を頂いた金融教育研究校におかれては、「暮らしや社会を支えるお金の役割」「望ましい消費生活や自己の将来設計の在り方」「金融・財政・株式会社の仕組み」「ライフプランを考える」「将来の生活設計・経済設計」「労働市場と若者~働く意義~」「意思あるお金と地方創生」「地域経済活性化と経済効果」など、小・中・高校と発達段階に応じた学習・研究を重ねて大きな成果を挙げて頂いております。同時に、大学生向け資料として新規に「大学生のための人生とお金の知識」を配布させて頂くなど大学との連携にも尽力しています。
このような金融教育の実践が、より自立的で安心かつ豊かな生活の実現にお役に立てるものと確信しております。引き続き、ご支援・ご協力の程宜しくお願いいたします。
ながの金融広報だより 第142号 掲載

 


「将来」と「今」

 イソップ物語の「アリとキリギリス」。アリは「将来」の食糧確保のために暑い季節も懸命に働く一方で、この働くアリを横目に「今」を謳歌するキリギリス。この「将来」と「今」は人間の性に基づく永遠のテーマの一つであり、金融教育の観点に照らしてみても、若い世代の方が自らの生活設計を立てて、老後の生活資金を自ら確保するための資産形成を行うことにも一脈通じることといえます。「将来」と「今」。この連立方程式の解は決して容易ではなく、まさに十人十色の世界だと思います。しかし、我が国の大きな課題の一つである人口減少と少子高齢化をしっかりと見据えて、「将来」世代に大きな負担を負わせることなく、自立した老後生活を送るにふさわしい資産形成に「今」から取り組むことが必要であり、こうした新しい時代を生きる上で必要な資質・能力を育むことを目指して金融教育の支援に尽力しております。

その意味では、今年度の金融教育研究校数は7校と過去最多記録と並んだほか、9年振りに小学校・中学校・高等学校が揃うなど、金融教育関係者の方はじめ関係団体のご支援ご協力に深く感謝いたしますとともに、今後とも、幅広い分野での金融広報活動を展開して皆様のお役に立ちたいと考えております。

ながの金融広報だより 第141号 掲載

 


子供たちの「生きる力」を育む金融教育

 前回の本コラムでは、「特殊詐欺非常事態宣言の今こそ求められる金融広報」と題して、特殊詐欺による被害防止に向けた取組みを積極的に展開していることを掲載しました。その後、各種イベントや講座等への参加者の方々からは、「特殊詐欺の実情や注意点が分かり易く有益であった」との声を多く寄せて頂いており、今後とも継続して参りたいと考えております。特殊詐欺に限らずお金に関するトラブルに巻き込まれないためには、子供たちへの金融教育も極めて重要なことと考えております。金融教育とは、人が生きていく上で欠かせないお金(金融・経済)に関する幅広い学習を通じて、子供たちの「生きる力」を育んで参ります。その内容も、子供たちの年齢層別に応じて、例えば、①ゲーム感覚でお金の意味や価値・金銭感覚を養って頂いたり、②生産・販売などの体験学習等を通じて経済の仕組みを学んで頂いたり、③経済ニュースや時事問題等を教材に主体的に判断・行動できる力を養って頂いたりと、メニューも豊富にあります。

私共では、こうした考え方に基づき、毎年、金融教育の研究・実践を支援するために「金融教育研究校」を募集しております。研究校の対象は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・高等専門学校です。そして、研究校への支援も手厚く、①教育研究費の助成、②講師派遣、③資料提供をさせて頂いております。

金融教育研究校に関心をお持ちになられた方は、どうか御遠慮なく、事務局までご一報下さい。子供たちの「生きる力」を一緒に育んで参りましょう。

ながの金融広報だより 第140号 掲載

 


特殊詐欺非常事態宣言の今こそ求められる金融広報

  長野県と長野県警察では、本年5月23日、多発する特殊詐欺による被害防止に向けて「特殊詐欺非常事態宣言」を行いました。平成25年における県内の特殊詐欺発生状況は、認知件数195件、被害額も10億円を上回り、過去最悪の状態となったほか、残念ながら平成26年に入り後も被害は相次いでいます。こうした状況下、長野県金融広報委員会においても関係団体等との緊密な連携の下、県民の皆様に様々な機会を通して注意喚起のメッセージを発信するなど、皆様が特殊詐欺の被害に遭われないよう広報活動を行っています。私共では、「広げようお金の知識 〜生きる力、自立する力を高めるために」を26年度の活動方針として、お金や金融経済に関する知識や金融教育の支援に取組んでおり、特殊詐欺による被害防止に向けた取組みも金融広報活動の一環として積極的に展開しています。お金に関するトラブルに巻き込まれないための注意点やポイントについて、各種イベントや講座等の場で御説明し、県民の皆様にはいつも熱心に耳を傾けて頂き感謝申し上げます。

本コラムをお読みになり関心をお持ちになられた方は、是非とも、当委員会事務局まで講師派遣をご用命頂くか、若しくはホームページからお申し込み下さい。きっと、お役に立てると思います。

[追伸]お金に関しては、「うまい話はない」と肝に銘じるとともに、「自分だけは大丈夫」とは思わないで用心するにこしたことはありません。

ながの金融広報だより 第139号 掲載

 


存在感増す外国人観光客

 円安を追い風に、2013年、日本を訪れる外国人が政府目標の年間1000万人を初めて突破しました。外国人観光客の消費金額は2〜3兆円とも言われ、観光地や都市部の百貨店・家電量販店など消費の現場では、その存在感は急速に高まっています。中長期的な日本経済の成長戦略の一つになるのが、外国人観光客の増加による観光事業です。観光ビジネスのメリットは、エリア・業種・企業規模を乗り越えて波及効果が大きいことです。すなわち、観光資源が全国各地にあるため大都市圏集中型ではないこと、業種もホテル・旅館、百貨店や飲食店・土産物店、鉄道・バスなど多岐に亘ること、さらには企業規模も大手・中小などすそ野が広いことです。

私の知人(外国人)も当地を訪ねて来てくれ、俄かガイドでこの知人に当地を満喫してもらい、その様子やお気に入り情報は瞬時にネット発信してくれました。その彼らから聞いた話ですが、長野県は外国人旅行客にとっても魅力的な訪問地の一つで、その理由は、1.観光資源が極めて豊富で四季折々の大パノラマを有していること、2.首都圏からのアクセスも容易なこと、そして3.冬季オリンピック開催地というネームバリュー(NAGANO)を兼ね備えていること、を挙げていました。

今後の長野県経済活性化のためには、観光事業の持続的発展が極めて重要です。それだけに、私も微力ながら、海外の知人やその友人等に一人でも多く当地に足を運んでもらい、当地の強みをアピールして彼らのネット配信を通して観光事業の更なる発展に貢献していきたいと思います。

ながの金融広報だより 第138号 掲載

 


長寿社会から考える金融リテラシー向上の意義

  長野県は全国No1の長寿県。厚生労働省が発表した「平均寿命市区町村別順位(2010年)」をみても、男女とも長野県の自治体が数多くランクインしています。上位50位内でみますと、男性では長野県が19自治体と、2位の神奈川県・東京都の5自治体を圧倒的に引き離しており、女性も12自治体と1位(2位は沖縄県の10自治体)となっています。こうした長寿社会の中にあって、一人ひとりの皆様のライフスタイルは区々ではあると思いますが、どのようなライフスタイルや暮らし方を選択されるにせよ、健康で生き甲斐のある人生を安心して過ごしていくためには、「健全で合理的な家計運営」を実現していくことが一段と重要になります。ご自身にあった充実したライフスタイルを過ごして頂くためには、長期に亘るライフステージに応じた生活設計が益々大切になってきます。ご本人の年代別に応じたライフプランだけではなく、ご家族がいらっしゃれば、そのことも考慮していかなければなりません。

併せて、私たちを取り巻く社会環境や金融環境の変化にも対応していかなければなりません。金融環境面でも、金融商品の多様化や金融取引の複雑化が進行していっているだけに、一人ひとりの皆様が、金融の基礎知識を正しく理解して自ら判断する力、すなわち、金融リテラシーの向上がライフプラン設計に大きな意味を持ってくると考えています。

当委員会では、こうした状況下、「中立・公正な立場から暮らしに身近な金融に関する正確な知識等の情報の提供活動等を行い、地域の方々の健全で合理的な家計運営の実現等に貢献すること」を目的にした活動に精力的に取組んでいます。一例を挙げれば、(1)金融経済講演会の開催、(2)公民館や生涯学習センターと協力して幅広い層の方々を対象にした各種セミナーの開催、(3)学校における金融教育の推進、(4)金融に関する生涯学習の支援、などがあります。

今後とも、私どもでは、金融リテラシーの向上に向けた取組みを継続・強化して参ります。皆様、ご要望等がございましたら、遠慮なく、事務局までお申し付けください。

ながの金融広報だより 第137号 掲載

 


風の一翼

 7月に着任致しました新免と申します。前任の林同様、宜しくお願い申し上げます。私はジョガーでランナーというにはまだまだ大きな開きがありますが、長野に参りましても趣味のジョギングを継続しています。頻度は1〜2時間/回、週2回程度走っております。ここ長野でジョギングをしておりますと、感心することがあります。それは、「信州の風」が、実力以上の走りを体感させてくれる魔法の杖である、ということです。

私は、空き時間を利用してジョギングをしていますが、どの時間帯であっても、基本的に風が吹き、その風が実力以上の走りを引き出してくれています。この風は、自然のなせる技であり、常にフォローの追風という訳ではなく、アゲンストのケースもあります。しかし、その場合であっても、何故か潜在能力を引き出してくれる、いわば天賦の恵みであるように感じています。

さらに申せば、「信州の風」とは、信州が持っている無限大のポテンシャルを引き出す様々な要素の総称ではないか、という思いが強くなっています。その代表格が、人々の結集力と強い思い、すなわち、「絆」ではないでしょうか。世の中が大きく変貌する時や困難と思われていたことが実現した際には、多くの人々の結び付きによって成し遂げられたことを表す言葉として「風が吹いた」という言葉を耳目にされると思います。まさに、信州にはそういった「風」があると思います。

今後も、「信州の風」が、信州のポテンシャルを大きく引き出す言動力となって大輪の花を咲かせ続けることを強く願うと同時に、微力ながらその「風の一翼」を担えるように努めて参ります。宜しくお願い致します。

ながの金融広報だより 第136号 掲載

 


「長寿日本一」を生かそう

 2月に厚労省が発表した2010年の平均寿命は男女とも長野県が全国1位となりました。その要因は、高齢者就業率の高さ、野菜摂取量の多さ、喫煙率の低さなど様々言われておりますが、いずれにしても全国に誇れることです。そもそも、日本が世界一の長寿国(世界保健機構公表)であることを考えれば、長野県は世界一の長寿県かもしれません。折しも、県は2013年度から始まる5か年計画で「未来の信州の姿」の一つとして、「健康長寿世界一の信州」を挙げていますが、こうした信州の健康長寿を生かすことは、今後の信州の発展にとって重要です。例えば、世界一の健康長寿県を謳い文句に海外の富裕層に医療サービス等を提供する医療ツーリズムもその一つです。単に医療サービスの提供にとどまらず、長寿県信州の食を提供するとともに、豊富な温泉を活用し湯治で長期滞在を促すのも一案かと思います。

また、健康・医療分野といった点では、「長野県ものづくり産業振興戦略プラン」の一つである「メディカル産業支援センター」を核とする医療機器メーカーの育成も注目されます。医療機器は薬事法が適用されており、様々な規制が存在しますが、薬で有名な隣県富山県も同様の事情を抱えています。2015年には長野新幹線が延伸されますが、関係県では観光客の誘致などそれぞれの戦略をたてています。お互いに切磋琢磨し競争するのも大切ですが、延伸を機に富山県とタッグを組んで規制緩和を働きかけ、アベノミクス3本目の矢である成長戦略の一つとして、「健康・医療産業基地、信州・富山」を標榜する等、Win-Winの関係を目指してみては如何でしょうか。

ながの金融広報だより 第135号 掲載

 


コミュニケーション能力

 このところ、スマートフォンの普及もあり、フェイスブックやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用する若者が急増しています。こうした、新しいコミュニケーションツールは、同じ問題意識や趣味を持っている”仲間”を早く広く見つけることができるなど、多くの利点があります。しかし一方で、仲の良い人とのコミュニケーションに偏ったり(煩わしい人間関係を排除)、非対面であるため相手の真意が汲み取りにくい(空気が読めない)といった欠点もあります。このため、コミュニケーション能力に欠ける若者が多いと言われています。経団連の調査で、企業が新卒採用に当たり特に重視する要素の第1位は、「コミュニケーション能力」(82.6%)という結果になっている(2位は主体性で60.3%)のも理解できるところです。

ところで、長野県では町内会の運動会はもとより、地域主催の文化祭、育成会のような様々なイベントなど、大都市では少なくなっている交流の場がまだまだ多く存在します。子供から老人まで多世代が豊富な話題でコミュニケーションできる(あるいは、しなくてはならない)機会に恵まれているということです。こうした交流の場について、「地区の行事で毎週末潰れてしまう。昔と違って今は個人の楽しみが大切だから、行事をなくしてほしい。」といった地元の人の声も聞かれますが、絆を強めコミュニケーション力を高めるには、こうした行事も必要ではないかと感じています。

ながの金融広報だより 第134号 掲載

 


信州の龍

 昨年11月に、国民の心理的幸福などを指標とする「国民総幸福量」(GNH)を重視するブータン王国の国王夫妻が来日され、大きな話題を呼びました。負債は東日本大震災の被災地である福島を訪れ、小学生達に龍の話をされました。「皆さんは龍をみたことがありますか?私は見たことがあります。龍は経験を食べて大きくなります。年を追うごとに龍は大きくなるのです。皆さん、自分の中の龍を大切にしてください」といった内容でした。ところで、それぞれの都道府県にはイメージというものがあります。例えば、沖縄と言えば美しいサンゴの海、京都と言えば神社仏閣、青森と言えば大間のマグロとリンゴといったようなものです。では、長野と言えば、もちろんたくさんの物事が連想されますが、よく言われるのは、「教育県」、「健康長寿県」です。「教育県」、「健康長寿県」は、いずれも目に見えない無形のものであり、言わば、先人が長い年月をかけて築きあげてきた「信州の龍」なのかもしれません。

最近、「地方の元気がない」とよく言われますが、長野新幹線の延伸、リニアモーターカーの開通など、信州にとって新たな展開が生まれる可能性があります。信州の人がそうした変化に敏感になり、どう対応すべきかを考えていくと、想像もつかないような新たな龍が生まれるかもしれません。そういえば本年は辰(龍)年です・・・。

ながの金融広報だより 第133号 掲載

 


「振り込め詐欺」にご用心

 このごろ、新聞をひらくと以前にも増して振り込め詐欺事件の記事を目にすることが多くなった。県内の振り込め詐欺被害は一時期少なくなっていたが、昨年あたりから増え始め、最近では未公開株や社債、ファンドなどを利用した投資詐欺事件が多発していることもあって、金融に関る犯罪被害が増えていると思われる。金融庁の職員や警察官、金融機関の職員を騙ったり、また直接被害者宅を訪問してお金を騙し取るケースなど、手口も多様で巧妙になっている。我が家でも、深夜に娘を騙る若い女性から電話がかかってきたことがあった。幸いにして娘は在宅していたので、直ぐに振り込め詐欺だと分かったが、電話を受けた妻は恐怖心から明け方まで寝付けなかった。実際に被害に遭われた方は、被害にあったお金はもちろんのこと、心に深い傷を負われている方も多く、被害者であるにもかかわらず、被害にあった自分自身を責めておられるとも聞いている。

長野財務事務所では、地域住民の方々の集会などに呼んでいただいて、振り込め詐欺などの手口や対策などをお話し、また再現ドラマ風の振り込め詐欺のDVD映像などもご覧いただき、少しでも被害に遭われる方が少なくなるようにと活動を続けている。

皆様からご要望があれば、無料でいつでもどこにでもお話しに伺っています。少人数でもかまいませんので、ぜひご利用いただければと思います。

ながの金融広報だより 第132号 掲載

 


地方の元気は信州から!

 長野市の中央通り沿いに住んでいますが、中央通りでは頻繁にイベントが開催されています。燈明まつり、びんずる、大道芸フェスティバルなどなど、長野市のメイン通りはその都度歩行者天国となり、多くの人々で賑わいます。こうしたイベントは長野市だけではなく、県内各地で開催されています。私自身幾つかの地方都市での勤務経験がありますが、これほど頻繁にイベントが開催されている都市は初めてです。「地方都市は元気がなくなっている」とよく言われます。確かに東京を中心とする大都市圏に人口が流入しているのは事実です。しかし、大都市でメイン通りを歩行者天国にしてイベントを開催するのは、様々な事情からとても困難です。その点、長野は行政や各種団体、企業が一体となって、多くのイベントを開催し、地元の人々や観光客を楽しませてくれています。地方都市だからこそできることもたくさんあるはずです。こうした一つひとつの地道な取り組みが大きな成果を上げ、地方に元気を持たらして欲しいものです。「地方の元気は信州から!」
ながの金融広報だより 第131号 掲載

 


ツバメに期待

 6月の中旬頃のことだったと思いますが、出勤途中にツバメの巣をみつけました。最近では、東京のような大都会ではツバメの姿もほとんど見ることがなく、私自身数十年振りにツバメをみました。それから注意深くみていると、出勤途中に十数個のツバメの巣をみつけました。街中にこれだけ多くのツバメの巣があるとは、さすが信州には豊かな自然が残っているのだと改めて感心しました。長野県はこうした豊かな自然や歴史により全国でも屈指の観光地です。東日本大震災直後は、観光客は大きく落ち込みましたが、その後はNHKドラマの「おひさま」効果もあって、客足はかなり戻ってきています。ただ、原発事故による風評被害もあり、外国人観光客は不振を続けています。

春にやって来たツバメは、丁度今頃(9〜10月)に越冬のため南方(台湾、フィリピン、オーストラリア等)に渡り、再び翌年春に日本に戻ってくるとのことです。来年には、原発問題に目途がつき、ツバメが多くの外国人観光客を長野県に連れて来ればと、期待しています。

ながの金融広報だより 第130号 掲載

 


不便を楽しむ

 未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」が発生した丁度1か月後に本店(東京)へ出張しました。東京に着いてまず驚いたのは、昼間は電車が照明を点けずに運転していること、また券売機も約半分は使用停止となっているなど、これまで明るく賑やかだった首都東京とは程遠い光景でした。日本銀行本店でもエレベータの半分が停止、廊下や食堂の電灯は消されており、廊下で久し振りに会った同僚から「元気?」と声を掛けられても、相手の顔が確認できず戸惑ってしまいました。電力不足はかなり深刻な状況です。全発電量の3割弱を原子力に頼っていること、新たな発電所を建設するにしても相応の時間を要るすることなどを考えれば、当面は電力不足の状態が続くと思われます。

そうなればこれまでと違って不便な生活を強いられることとなりますが、「ものは考えよう」です。昔は今のように便利でなかった筈です。多少不便であるがゆえに良いこともあるのではないでしょうか?例えば、エレベータの代わりに極力階段を使うとメタボが解消できる、ネオンが少なくなると今まで見えなかった星を見ることができる、冷房をつける部屋を一家に一室と決めれば家族の会話が増えるなど、良いこともたくさんあると思います。

今回の大震災を機にこれまでの電力大量消費生活を見直し、不便さを楽しんでは如何でしょうか?これは何も一定の期間や一部の地域のことではなく、我々日本国民のライフスタイルの変化として捉えてみては如何でしょうか。

そう言えば、本店で声をかけられた同僚に「暗くて大変だろう、大丈夫?」と尋ねると、「慣れれば何てことないよ」と言っていたのが印象的でした。

ながの金融広報だより 第129号 掲載

 


真の成長、豊かさとは

 本年入り後、大寒波が猛威を振るいましたが、ちょっと昨年を振り返ると猛暑に苦しめられ、年末に発表される世相を表す漢字は「暑」でした。お隣り中国でも同様のアンケートがあり、「値上がり」を意味する「漲」(みなぎる)という漢字を挙げた人がもっとも多かったようです。膨大な人口を背景に急速な経済発展を遂げている中国では、経済成長率は2桁近くを持続しており、不動産や食物など物価の高騰が続いているからです。2010年のGDP(国内総生産)は日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位となった模様です。

一方日本はと言えば、20・21年度と2年間マイナス成長の後、22年度は回復傾向にありますが、経済成長率は数パーセントに止まり、物価も前年割れが続くなど、力強さに欠けています。

ところで経済成長を示すGDPとは、平たく言えば「一定期間にどれくらいの物やサービスが生産されたか」といった指標です。すなわち、一定期間に生産された「フロー」の概念で、これまで蓄積された「ストック」とは異なります。例えば、今月100円貯金して貯金残高が500円になったとすると、100円が「フロー」で、500円が「ストック」ということになります。

私が学生の時、スコットランドのある家庭を訪れたのですが、その家のテーブルはとても立派でしたが、かなり古いものでした。そのテーブルについて尋ねたところ、「100年以上前から我が家にある。このテーブルを見るたびに優しかったおじいさんやおばあさんのことを思いだす。我が家にとって掛替えのないものだ」と言っていました。仮に、その家にテーブルしか存在しない経済を考えると、その家のGDPは100年以上ゼロということになります。一方で、安いテーブルを毎年買い替えていれば、毎年いくらかのGDPが計上されることになります。経済的にはGDPが発生するほうが良いようにみえますが、果たしてどちらの方が本当に裕福なのでしょうか?

フローばかりに目を奪われるより、時にはストックで判断することも大切なのではないでしょうか。かつての高度経済成長時には物質面では確かに豊かになりましたが、余暇の少ない生活や公害の発生など負の面も多く見られました。これからは成熟した真の豊かさを実感できる成長が求められるように思われます。

ながの金融広報だより 第128号 掲載

 


宜しくお願いします

 9月29日に着任しました林と申します。前任の佐藤同様よろしくお願いします。長野は私にとって初めての地で、僅か2カ月しか経っていませんが、「虜」になりそうです。善光寺から徒歩数分のところに住まわせてもらっているということもあり、朝7時にはお寺の鐘の音が聞こえ、最近では珍しくなった托鉢もしばしば目にします。また、先般、信濃町にある古海小学校を訪れお金について話をする機会がありました。全校生徒7名の小さな小学校ですが、素晴らしい自然に囲まれ、児童はみんな素直でのびのびとしていました。長野には昔ながらの良き日本が多く残っているように思えます。

長野の素晴らしさは、私ごときが語るよりも、日本絵画の巨匠「東山魁夷」を知ればすぐに理解できます。着任間もなく善光寺の近くにある東山魁夷館に足を運び、次のことを学びました。

魁夷は、横浜生まれ、神戸育ちですが、東京美術学校1年の時に長野県御嶽を訪れて以来、たびたび長野の自然を題材とした作品を制作しました。同館の説明書きによれば、魁夷は「初めて接した山国の自然の厳しさに強い感動を受けるとともに、そこに住む素朴な人々の心の温かさに触れることができた」としています。そして、晩年「自家所有の作品などの処置について、私の作品を育ててくれた故郷とも言える長野県にお願いしたい」として、約500点もの作品を長野県に寄贈しました。そして今も善光寺に眠っています。

魁夷が惚れ込んだ長野、私もより多くの自然、人々と出会い、長野の良さを深めて行きたいと思っていますので、よろしくお願いします。

ながの金融広報だより 第127号 掲載

 


原村〜信州の風

 25年前に原村に山荘を購入した。長野勤務となったのは2年前からだが、長野との関わりは四半世紀ということになる。東京の社宅アパート暮らしは侘しく、さりとて東京近郊に一戸建てを購入する資金もなく、まずはセカンドハウスということになったのだが、社会人になって5年ばかりでは、かなりの背伸びだった。
原村を選んだのは、社宅のある東京からのアクセスが便利なこと、2年間勤務した青森で覚えたスキーができること、の2つの条件に適ったからだ。そして何よりも白樺の木立の魅力だ。
山荘は、八ヶ岳の一つである阿弥陀岳の麓、標高1,400mにある文字通りの山小屋で、冬は流石に寒さが厳しい。暖房のない台所の床にこぼしてしまった水を雑巾で拭く間にシャーベット状になってしまう。軒先の氷柱は50cm以上にもなる。
その後、茅ケ崎に自家を構え、また年齢とともにスキーから遠ざかっていったこともあって、山荘を利用するのは気候のよい5月から10月までということになってしまったが、山荘を訪れるたびに感じるのは、風が心地よいことだ。空気が乾燥しているため、妻が地元のドライフラワーを使って作ったリースは、20年以上経った今も色褪せずに山荘の部屋の壁を飾っている。定年後はここで暮らすのもいい。
ところで、このコラム欄は「信州の風」。「信州はやはり風でしょ」ということで、このタイトルを決めた経緯です。「信州の風」でヒト、モノ、カネを呼び込み、「信州に風」を。
ながの金融広報だより 第126号 掲載

 


台湾

 2月に家族で台湾に旅行した。北京大学に留学している娘が春節(旧正月)休暇で帰国している間の中国語のレベルダウン回避が主な目的で、私と言えば、台湾に然程の関心はなかったのだが、爆竹が鳴り響く繁華街の活気等、1人当たりのGDPが日本の半分に過ぎないこの国のエネルギーには圧倒された。台湾は、嘗ては日本の領土。「富士山はずっと”日本一の山”であったのではない」との現地ガイドの説明に一瞬きょとんとしたが、台湾最高峰の「ニイタカヤマ」は3,952m。台湾には富士山より高い山が80以上もあるという。滞在中、台北駅から電車と車を乗り継いで1時間半ほどの九イ分という町に行った。ここはかつての金鉱の町で、あの「千と千尋の神隠し」の舞台だそうだ。昭和レトロの感じに納得。台北市内にある圓山大飯店は、湯屋「油屋」のモデルとも言われている。これも意外と知られていない。

ところで、県の「外国人宿泊者数調査結果」(2008年)によると、台湾人の宿泊者数は全体の4割で、2位の韓国人(1割)を大きく引き離している。全国の2割と比べても、台湾人の観光客の比率が圧倒的に多い。これは北海道も同様のようで、要するに、”雪と温泉”が観光の主な目的。県観光部によると、「台湾では立山黒部アルペンルートの人気が高く、修学旅行も増えている」とのこと。現状は富士空港を利用したインバウンドだが、これを何とか松本空港に取り込みたいものだ。

ながの金融広報だより 第125号 掲載

 


信州の鎌倉

 去年11月、東京への出張の途中で、別所温泉に寄り道した。上田駅から上田電鉄別所線で30分。独鈷山など周囲の山並みが青空にくっきりと映え、「信濃のまほろば」塩田平の長閑な田園地帯を走る電車の旅は最高に気分が良かった。鎌倉幕府の執権北条氏の一族に連なる塩田北条氏の所領であったこの地は、数多くの寺院が建立され、「信州の鎌倉」と言われる。私の自家は鎌倉に近い茅ヶ崎にあり、わざわざ「信州の鎌倉」に行く必要もあるまいと、長野に赴任後1年以上も当地を訪れていなかったが、大いに感動した。別所線もさることながら、北向観音堂、安楽寺八角三重塔、常楽寺など、由緒ある寺院が程良い距離に点在し、しかも、鎌倉にはない温泉もある。鎌倉と箱根を合わせたようなものだ。塩田町駅から別所温泉駅までの道を歩いて前山寺や龍光院などにも立ち寄る時間はなかったが、機会を改めて訪れるつもりだ。

ところで、地方鉄道の例に漏れず、上田電鉄別所線も経営が厳しいようだ。公共インフラを維持・存続させるには、納得性のある公的支援と受益者負担、その一方での利用率の向上しかない。「乗って残そう」を合言葉に住民団体も協力して行っている様々な運動の成果も少なからず出ていると聞くが、折からの「歴女」ブームなども味方につけて、利用客が増えればと願っている。

ながの金融広報だより 第124号 掲載

 


冬の信州

 長野市内では、11月の頭に平年より18日も早く初雪を観測した。これから本格的な冬を迎える。これまで青森、秋田と勤務し、雪と寒さは十分に経験済みとは言え、皮下脂肪の少ない身(決して自慢しているわけではありません)にとっては、信州の冬の寒さは堪える。もっとも、冬は冬こその楽しみがある。残念ながらスキーをやる元気はなくなってしまっているが、何と言っても、信州には至る所に温泉があるのがいい。社宅マンションの近くにも裾花川温泉があるが、ここは保温効果が極めて高く、年に数回こちらにやって来る私の家族にも大好評だ。

温泉には人間だけでなく猿も入るということを、昨年当地に赴任して初めて知った。地獄谷温泉のSnow Monkey。世界的にも珍しいと言う。世界に誇れる観光資源だ。

10月に当委員会が開催した金融経済講演会で、講師の逢坂ユリ氏から、「今後中国からの観光客に対する期待が大きくなるが、中国人が行き先として選ぶポイントは美しい自然」という話を聞いた。「兎追いしかの山〜」の唱歌「故郷」は中野市(旧豊田村)が舞台。ここは日本人の心の故郷と言える。

信州には美しい自然がいっぱいある。信州の自然の魅力を内外に大いにPRし、県内観光産業の活性化に繋げたいものだ。

ながの金融広報だより 第123号 掲載

 


二宮金次郎から学ぶ

 私の出身地小田原(神奈川)は、北条早雲を初代とする戦国武将の北条氏が有名だが、私は、小田原が生んだ最大の偉人は二宮金次郎(尊徳)だと思っている。二宮金次郎というと、薪を背負って本を読んでいる少年時代の姿ばかりがクローズアップされるが、今から200年前、農民の出でありながら、関東を中心に600余りの村々を復興させた人物である。「日本で一番不況に強い男 二宮尊徳の成功実学に学べ」(瀧澤中著)という本が最近出版されているが、「勤労」、「分度」、「推譲」、「積小為大」、「心田開発」など、彼の思想は、今の時代にも通じるものがある。

二宮金次郎は、「お金は卑しむものではない。お金の中に徳を発見し、その徳を掘り出して人間の生活を豊かにするために活用しろ」と言っている。つまり、「人間がお金に振り回されるのではなく、逆にお金を人間が振り回す(活用する)」ということである。正に、『金融(金銭)教育』の原点である。今回の世界的な金融危機の原因の一つが、いわゆる「マネーゲーム」にあったことを考えると、人間というのはいつの時代も変わらないもの、懲りないものだと思わざるを得ない。二宮金次郎の言葉を肝に銘じたいものだ。

ながの金融広報だより 第122号 掲載

 

御開帳と金融

 7年に一度の善光寺御開帳が終わった。昨年7月に東京から長野に転勤し、善光寺から徒歩数分のところに住まわせて貰っているため、御開帳期間中は何度も善光寺に参詣し、回向柱のご利益にすがった。撥当たりなことを言うようだが、回向柱はそれ自体1尺5寸(45cm)角の過ぎの柱に過ぎない。これが、前立本尊と「善の綱」で結ばれることで、人々がありがたがるのである。お札(銀行券)もこれと同じではないか。それ自体はただの紙である。それが通貨として流通するのは、お札を発行している日本銀行に対する全幅の信頼があるからだ。翻って、昨年9月のリーマン・ショック以降の世界的な金融危機では、金融商品に対する人々の信頼が大きく損なわれた。アメリカインディアンのことわざに、「信頼は徒歩でやって来て馬に乗って去っていく」というのがある。一度損なわれた信頼を回復するのはなかなか難しい。回向柱を見ながらそんなことを思った。

御開帳には県内外から実に多くの参詣客が訪れた。県内景気回復のきっかけになることを切に望む。

ながの金融広報だより 第121号 掲載